「キングダム」は、中国戦国時代を舞台にした壮大な物語で、実在する人物と架空のキャラクターが巧みに組み合わさっています。
物語の中で繰り広げられる戦略や友情、裏切りの数々は、読者を惹きつけてやみません。
本記事では、キングダムに登場する実在のキャラクターと、実在しないキャラクターについて詳しく探っていきます。
背景や役割を知ることで、物語をより深く楽しむことができるでしょう。
実在するキャラクター
まずは、実在の人物を見ていきましょう。
キングダムに登場する実在のキャラクターは以下の通りです。
「キングダム」に登場する実在のキャラクターは、歴史的な背景に基づいており、そのエピソードや活躍が多くの読者の心をつかんでいます。
信(李信将軍)
実在の李信は、秦の将軍として活躍した人物で、特に楚との戦いで名を馳せました。
史実では、李信は紀元前230年から221年にかけて秦王政(後の始皇帝)の命を受け、六国(韓、魏、趙、燕、楚、斉)統一に貢献しました。
しかし、楚との戦いでは敗北を喫するなど、成功ばかりではなく、王翦(おうせん)将軍に軍を引き継がれることもありました。
それでも、李信の勇敢さと忠誠心は評価され、秦の軍事力の発展に大きく寄与しました。
政(始皇帝)
史実の嬴政は、紀元前259年に生まれ、13歳で秦国の王に即位しました。
実際の嬴政は、22歳で実権を握り、それから約25年をかけて、中国全土を統一しました。
六国(韓、魏、趙、燕、楚、斉)を次々と征服し、最終的に紀元前221年に統一を達成しました。
嬴政は「皇帝」という称号を初めて用い、自らを「始皇帝」と名乗り、中央集権的な統治体制を築き上げました。
治世の中で、文字や貨幣、度量衡を統一し、広大な領土を効率的に支配するための基盤を整えたとされています。
また、万里の長城の建設や巨大な陵墓の造営など、後世に残る多くの偉業を達成しました。
一方で、厳しい法治主義や焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)など、徹底した思想統制を行い、その苛烈な支配は賛否が分かれます。
桓騎(かんき)将軍
史実において、桓騎は秦の将軍として、特に長平の戦いで活躍した人物として記録されています。
『史記』や『戦国策』などに桓騎の名が登場し、秦が中華統一を進める過程で功績を挙げた将軍の一人です。
特に注目されるのは、紀元前236年、桓騎が趙を攻めた際、重要な城である閼与(あつよ)を陥落させたことです。
この勝利は、趙への圧力を強め、秦が中華統一に向けて大きく前進する要因の一つとなりました。
『キングダム』で描かれる桓騎は、もともと野盗の頭領であったという設定ですが、史実上には彼が元野盗であったという記録はありません。
騰(とう)将軍
内史騰は、紀元前3世紀ごろの人物であり、秦国の将軍の一人として歴史に名を残しています。
史実上では、内史騰は秦王政(後の始皇帝)の治世のもと、楚国を攻めたことで知られています。
紀元前227年頃、騰は楚を攻め、いくつかの城を攻略するなど、秦の領土拡大に大きく貢献しました。
『史記』の記録によれば、騰は楚攻略において重要な役割を果たし、秦軍を率いて大勝利を収めたとされています。
蒙恬(もうてん)
秦の将軍として、始皇帝に仕え、特に北方の匈奴(きょうど)に対する防衛戦で大きな功績を残しました。
蒙恬の家系は軍事に長けた名門であり、祖父である蒙驁(もうごう)や父の蒙武(もうぶ)も秦国の名将として知られています。
蒙恬が最もよく知られている功績は、秦の北方における匈奴との戦いです。
紀元前215年、蒙恬は秦の北方防衛を担当し、30万人ともいわれる大軍を率いて匈奴を討伐しました。
この戦いは匈奴を大きく後退させ、蒙恬は北方の領土を確保し、さらに長城の修築を行いました。
この長城は、後に万里の長城と呼ばれることになりますが、蒙恬がその基礎を築いたことは間違いありません。
王賁(おうほん)
王賁は、名将王翦の息子であり、王家は代々優れた軍人を輩出してきた一族です。
父の王翦は、楚や趙、燕を討ち破り、秦の統一に大きく貢献した偉大な将軍として知られています。
そのため、王賁もまた幼い頃から軍事戦略や兵法を学び、父親譲りの軍事的才能を発揮することになります。
家族の名誉を背負い、将軍として秦のために数々の戦いに参加しました。
昌文君(しょうぶんくん)
秦国の文官として秦王政(後の始皇帝)の側近に仕え、政権内で忠実な支持者として多大な貢献をしました。
特に、政の即位を支援し、始皇帝としての道を切り開く重要な役割を担いました。
壁(へき)将軍
実在した人物で戦国時代の秦国の武将であり、歴史においても名を知られた武将の一人です。
壁将軍は特に、その勇敢な戦いぶりや、戦術の巧妙さで知られており、戦場において大きな成果を上げたとされています。
成蟜(せいきょう)
成蟜(せいきょう)は、中国戦国時代に存在した実在の人物であり、秦国の王族である成蟜は、特にその悲劇的な運命と王位争いに関与したことで知られています。
秦の始皇帝の異母兄弟であり、王族としての地位を持ちながら、政争の中で多くの困難に直面しました。
呂不韋(りょふい)
中国戦国時代の重要な政治家であり、商人でもあります。
特に秦国において、始皇帝の父である昭王を支援し、後の秦の覇権を確立するために大きな影響を持った人物として知られています。
麃公(ひょうこう)将軍
中国戦国時代の秦国の著名な将軍であり、優れた武将として知られています。
特に戦場での勇猛さと卓越した戦術で有名であり、戦国時代の秦の拡張に寄与しました。
麃公の実在の人物としての役割や功績は、後の歴史や文学作品にも影響を与えています。
王翦(おうせん)将軍
王翦は秦王政にとって最も信頼されている将軍で、数多くの戦争を指揮しました。
廉頗(れんぱ)将軍
廉頗は趙国の将軍で、紀元前283年に大勝を収めた実在の人物です。
藺相如と協力し、趙の防衛に貢献しました。
秦の謀略により一度は将軍を辞めますが、長平の戦いの後に復帰し、燕軍を破った実績があります。
李牧(りぼく)
李牧は天才軍師として知られ、趙国の武将でした。
独自の戦略を用いて匈奴と戦い、守戦の名将とされています。
王翦(おうせん)将軍
王翦は秦王政が信頼した将軍で、趙、燕、楚を制圧しました。
若い頃から兵法を学び、趙攻めの主将として多くの戦果を挙げています。
楽毅(がくき)
楽毅は、趙国の将軍で、強力な武将として知られています。
白起(はくき)
白起は秦国の将軍で、多くの戦争で成功を収めた伝説的な人物です。
実在しないキャラクター
「キングダム」には多くの創作キャラクターが登場し、物語をさらに魅力的にしています。
王騎(おうき)将軍
史実上の人物については、いくつかの説があり、明確に「王騎」としての史実は確認されていません。
そのため、いくつかの実在した将軍の特徴を基に創作されたものだと考えられます。
王齮(おうき)説
最も有力な説の一つは、王騎が秦の将軍「王齮」(おうき)を基にしているという説です。
王齮は、戦国時代末期の秦の将軍で、始皇帝に仕え、数々の戦いで活躍した人物です。
『史記』によると、王齮は楚や趙との戦いで大きな戦果を上げ、始皇帝の信任を得ていたとされています。
例えば、紀元前236年の趙攻めでは、王齮が将軍として趙の大都市である邯鄲を攻撃し、これに成功しています。
また、楚との戦いでも活躍しており、楚軍を破り、その領土を奪取したことが記録されています。
王騎将軍の勇猛さや豪快な性格は、この王齮の武勇伝をもとに創作された可能性があります。
王齕(おうこつ)説
もう一つの説は、王騎が「王齕」(おうこつ)という将軍を基にしているというものです。
王齕もまた秦の名将として知られており、特に紀元前293年の伊阙の戦いで大勝利を収め、秦の勢力拡大に貢献しました。
魏や韓との戦いで活躍し、多くの都市を攻略した人物です。
王齕は、老練な将軍であり、何度も大規模な戦いに参加していることから、王騎の「老将」としてのキャラクターと重なる部分があります。
王齕は紀元前280年頃にも活躍していたため、王騎のモデルの一部として影響を与えた可能性があります。
飛信隊のメンバー
飛信隊には河了貂(かりょうてん)、渕(えん)、楚水(そすい)などのメンバーがいます。
彼らは信の仲間として物語を支えています。
羌瘣(きょうかい)
史実には記録が残っていません。
史実上の秦の将軍や戦士の中で、女性で戦場に立った人物が記録されている例はほとんどなく、羌瘣のキャラクターは創作されたものであると考えられます。
漂(ひょう)
漂は信の幼なじみであり、物語の初期に重要な役割を果たします。
楊端和(ようたんわ)
『キングダム』に登場する楊端和(ようたんわ)は、山の民の王として圧倒的な力を持つ女性キャラクターとして描かれていますが、史実において楊端和に該当する記録はほとんど残っていません。
楊端和は、フィクションの要素が強いキャラクターであり、特に女性であるという設定は、原作者の創作による部分が大きいです。
山の民メンバー
山の民にはバジオウ、タジフ、シュンメンなどが登場し、彼らの独自の文化や戦術が物語に深みを与えています。
桓騎軍メンバー
桓騎軍にはオギコ、雷土(らいど)、黒桜(こくおう)、摩論(まろん)などが登場し、個性豊かなキャラクターたちが活躍します。
王翦軍メンバー
王翦軍には麻鉱(まこう)、亜花錦(あかきん)、田里弥(でんりみ)などのキャラクターがいて、物語の進行に重要な役割を果たします。
その他のキャラクター
陽(よう)、向(こう)、瑠衣(るい)、輪虎(りんこ)将軍、カイネ、舜水樹(しゅんすいじゅ)将軍、媧燐(かりん)将軍など、多彩なキャラクターたちが物語に彩りを与えています。
まとめ
「キングダム」は、実在のキャラクターと創作キャラクターが交錯し、豊かな物語を構成しています。
実在の人物のエピソードは歴史ファンにも楽しめる要素であり、フィクションのキャラクターは物語に独自の魅力をもたらします。
これからも「キングダム」の世界を楽しみ、深く掘り下げていきましょう。
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