『キングダム』73巻は、秦国の総大将・王翦が指揮を執る第二次趙北部攻略戦が、いよいよ幕を開けます。
25万もの大軍を率いる秦軍ですが、開戦直後から予想外の展開に見舞われます。
主力部隊である飛信隊が突如、戦場から離脱させられ、その隙を狙った趙の青歌軍が王翦本軍に襲いかかるのです。
士気も武力も高い青歌軍の猛攻により、王翦の本陣は包囲の危機に直面しますが、果たして秦軍はこの逆境をどう切り抜けるのでしょうか？
況がますます緊迫する中、目が離せません。
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漫画「キングダム」73巻あらすじとネタバレ
出典：集英社＞＞
漫画「キングダム」73巻あらすじとネタバレを解説していきます。
第791話 他人の戦争
青歌城主・司馬尚の元に、カン・サロからジ・アガの訃報が届きます。
司馬尚は自分の選択が悲劇を招いたことを悔やみますが、カン・サロは青歌の選択であると反論します。
その後、李牧が青歌に現れ、国賊と呼ばれる自分が青歌の力を借りて邯鄲に戻り、再び秦と戦う意志を示します。
青歌の民は彼の言葉に怒りを示し、青歌の平和を脅かすことに反対します。
李牧は、秦の侵攻から青歌を守るためには戦う必要があると訴えます。
李牧の言葉に民は耳を傾け、青歌が得た平穏が他人の苦しみの上に成り立っていることを理解します。
最終的に、青歌の精神が尊いものであるなら、戦う覚悟を持ってほしいと李牧は呼びかけます。
第792話 脱出の責任
司馬尚は、李牧を受け入れたことが今の状況を招いたと考えます。
昨年の上和龍の死、青歌兵の犠牲、そしてジ・アガの死がその背景にあります。
カン・サロは、参戦すれば李牧が青歌軍を必殺の軍として使い、多くの犠牲が出ることを司馬尚が理解していたはずだと諭します。
司馬尚は、亡くなった者たちが悔いているのではないかと口にしますが、カン・サロは戦場での死は誰もがそうであると応じます。
ジ・アガは後悔がなかったのではないかと語り、司馬尚に尊い犠牲を無駄にしないよう促します。
司馬尚は、王翦の首を取ることで青歌に帰ると決意し、カン・サロも共に前に出ます。
一方、李牧は青歌の力で決着がつくと考えます。
司馬尚とカン・サロが王翦のもとへ迫る中、王翦は逃げることなくその場に留まります。
倉央は、自身の部下に王翦を逃がすよう命じ、亜光は倉央を励ましつつ王翦を守ろうとします。
亜光は自身の傷を告げながらも、王翦を守る決意を示し、青歌兵に向かって叫びます。
亜光の言葉は、王翦に届き、王翦の復活を信じる決意を新たにします。
亜光は、司馬尚との対決の中で命を落とすこととなります。
第793話 本物の殿
司馬尚によって亜光が討たれた頃、秦軍の右翼では飛信隊が王賁の指揮のもと、宜安軍と激しく戦っていました。
しかし、兵力差が明らかで、徐々に押し込まれつつありました。
宜安軍を率いる袁環は、飛信隊の粘り強さに驚いていました。
李信がいなくても、飛信隊の力は相当なものでした。
その時、急報が入り、右後方で足止めをしていた部隊が抜かれたことが伝えられます。
信達が敵軍に突撃し、飛信隊と合流しましたが、王賁は王翦の本軍が危ないと告げます。
報を受けた王賁は、単身王翦を救うために馬を走らせます。残された信はその様子を呆然と見守ります。
一方、関常は亜光の討死の報に愕然とし、王翦を救うために動き出します。
しかし、楽彰軍が立ち塞がり、突破を試みます。
倉央は王翦を脱出させようと奮戦しますが、青歌軍の回り込みが早く、思うように動けません。
その時、満身創痍の田里弥が現れ、王翦を救うために捨て駒となる覚悟を示します。
田里弥は王翦に別れの言葉をかけ、忠誠を誓いながら戦場で命を懸けます。
田里弥が抗う姿を見せる中、王翦は後退し、田里弥は最後の瞬間まで戦い抜きました。
第794話 根を残す
王翦軍は崩壊寸前で、亜光と田里弥が討たれました。
李牧のもとには、王翦が自軍を置き去りにして敗走したとの報告が届き、趙軍の勝利を示しました。
配下は歓声を上げますが、李牧は冷静に王翦の首を問い、伝者から青歌軍が追撃しているとの情報を受けます。
李牧は王翦を確実に討つ必要があると考え、勝利を確信しつつも油断をしませんでした。
一方、王翦軍は青歌による厳しい追撃を受けながらも、王翦を逃がそうと奮闘しています。
倉央は、自ら先導しながらも状況を憂い、王翦だけは脱出させる決意を固めます。
しかし、敵の騎馬隊が立ちはだかり、絶体絶命の危機に直面します。
その時、亜花錦が現れ、王翦を救うために来たと説明します。
亜花錦は王翦軍の支援を申し出て、司馬尚が来るまで時間を稼ぐと宣言します。
王翦は亜花錦に任せて馬を走らせますが、倉央は初めて見る敗戦の光景に戸惑います。
思いを馳せる糸凌も同様に、その命を終えます。
一方、李牧の命を受けた傅抵軍は王翦軍の掃討戦を開始し、王翦軍は壊滅してしまいました。
第795話 勝つために
王翦が脱出し、司馬尚が追う中、玉鳳の部隊は乱戦からなんとか外に出ました。
王賁は関常たちと出会い、王翦の敗北を知ります。
玉鳳の者たちは驚きますが、関常は撤退を提案します。
王賁は百騎を連れて王翦を助けに行くことを決意し、飛信隊の援護も指示します。
飛信隊本陣に王翦の敗走の知らせが届き、信と貂は撤退を進めるべきだと判断します。
信はどうにか挽回できないかと悔しさを感じますが、貂は現状を受け入れ、今は逃げるしかないと告げます。
玉鳳の援軍が加わり、戦場では各軍が撤退の準備を進めます。
楊端和はキタリたちの安否を心配し、撤退を知らせるよう指示します。
状況は厳しいものとなりましたが、各自が生き延びるために動き始めました。
第796話 一縷の望み
キタリ隊は寡兵で番吾に攻め入りますが、番吾を守る兵士たちは戸惑いながらも防衛に動いていました。
キタリ隊は猿手族の力を借り、常識外の方法で城壁を登ります。
城門が開くと、キタリが先頭に立って城内に突入しました。
その頃、李牧の元には急報が届き、秦軍が攻城戦を仕掛けたことが知らされます。
李牧は中央から兵を派遣し、城を守る指示を出しました。
番吾城内の捕虜たちも騒ぎを聞き、敵の侵入を知りますが、数が少ないためすぐに制圧できると考えていました。
しかし、城が攻められているという状況に絶望する者たちもいます。
一方、壁は捕虜たちを鼓舞し、脱出を決意します。
捕らえられていた者たちは、城門が開いていることに希望を見出し、脱出の準備を始めました。
脱出を試みた捕虜たちは、趙軍に攻撃されながらも、なんとか武器を奪って進みます。
キタリは城内で壁を探しますが、趙軍の接近に気づき、状況が厳しくなります。
壁は仲間たちと共に絶望的な状況に直面しますが、感謝の言葉をかけられ、心の中で仲間や大王に思いを馳せます。
その時、キタリが趙兵を蹴散らしながら現れます。
第797話 砕け散る
収容所から脱出を試みる壁の前に、メラ族のキタリが現れました。
キタリは仲間たちと共に趙兵を撃退し、秦兵たちに希望を与えます。
壁はその姿を見て安堵し、涙を流しました。
キタリは壁を助けるため、急いで脱出するように声をかけます。
山の民の言葉がわからず困っている秦兵たちの中で、ナジャラ族の男が事情を伝え、皆を馬に乗せるよう指示しました。
壁は軽く、キタリは彼が過酷な日々を送っていたことを感じました。
脱出の途中、壁が山の民の言葉を話せるようになっていることに気づいたキタリは、驚きつつも微笑みました。
敵の抵抗が激しかったものの、何とか城から脱出することに成功しました。
助けられた秦兵たちは涙を流し、感謝の言葉を述べました。
しかし、趙兵の追撃が迫り、キタリは退却を決めました。
壁は他の馬に移りたいと焦りましたが、キタリはその言葉を理解できず困惑しました。
ナジャラが壁の言葉を伝えると、キタリは驚き、壁に降りるよう叫びました。
この戦いで、壁と数十名の秦兵が帰還しましたが、他の仲間たちは失うことになりました。
王翦は敗走し、王賁は戦の難しさを感じつつ、今後の覚悟を決めました。
倉央も自らの役割を果たす意志を示しました。
第798話 愛する女
第二次趙北部決戦が終わった平原には、無数の死体が横たわっていました。
青歌軍の兵士たちは、仲間を救出し、秦兵のとどめを刺していました。
青歌の兵士の遺体は故郷に運ぶため、荷車に載せられています。
本陣のカン・サロは、死体の数が足りないと報告を受け、周辺の城から荷車を集めているところでした。
そんな中、カン・サロの元に、秦の将軍・倉央が捕らえられて連れて来られます。
倉央は、自分が亡命してきたわけではなく、愛する女・糸凌の亡骸を探しに来たと訴えました。
倉央は、糸凌を愛し、彼女を置き去りにしたことを悔いていました。
糸凌の亡骸を抱きしめさせてほしいと懇願する倉央に対し、カン・サロはその願いを受け入れます。
そして、倉央の縄を解くと、思わぬ再会が待っていました。
戦場で命を落としたと思われていた糸凌が、目の前に現れたのです。
二人は驚きのあまり立ち尽くしました。
第799話 戦争の輪
倉央は最愛の糸凌との再会に涙を流して喜んでいました。
二人は周りの目を気にせず抱きしめ合いますが、ジガンが剣を抜き、倉央の命を狙います。
糸凌はそれを止めようとしますが、倉央は自分の首を差し出し、糸凌を秦に帰してほしいと頼みます。
糸凌は倉央にその決意を翻すように訴えますが、倉央の意志は変わりません。
カン・サロは倉央の勇気を認め、二人を解放すると告げます。
倉央は感謝の言葉を述べ、糸凌と共に本陣を去ります。
一方、ジガンはカン・サロの決定に納得がいかず、再考を促しますが、孟樹がジガンにカン・サロの美徳を思い出させ、慰めます。
その頃、邯鄲では李牧が秦軍に勝利したことを祝っています。
しかし、郭開は李牧の人気を危惧し、今のうちに手を打つ必要があると焦ります。
李牧は司馬尚と共に、王翦に勝つためには青歌軍を直接ぶつけるのが最良の策だと語ります。
李牧は戦争と平穏を繰り返しながら、可能な限り戦争を避けることが重要だと考えています。
そして、秦が趙を滅ぼす計画が失敗したことが今後の戦局に影響を与えると予測します。
最後に、李牧は秦が中華統一を諦めるかどうかは、咸陽の秦王次第だと結論づけます。
第800話 三つの柱
秦軍は二度の大敗で大きな兵力を失いました。咸陽では文官たちが状況を立て直そうとしていますが、次期丞相候補の馮却は厳しい現実を伝えます。
現状を前向きに捉える意見もありますが、馮却はそれをただの逃避だと否定しました。
大戦で失った三十万の兵と国庫にかかる負担が大きく、特に北部の兵士が多く犠牲になったため、人心が離れる恐れがあります。
政は中華統一の夢を諦め、現実的な目標として盟主を目指すべきだと提案しますが、昌文君は反発します。
昌平君が六日間考え続けた末、ついに出てきて、再び戦略を構築しました。
その中で最初の改革案として民全員の戸籍作りを提案しました。
この改革を進めることで、秦は中華統一の道に戻れるかもしれないと考えています。
第801話 二つ目の柱
秦は相次ぐ敗北で中華統一の夢が危うくなっています。
政は新しい道を作るように昌平君に託けました。
厳しい状況の中、昌平君は自死を考えることもありましたが、李牧に勝つ策を見つけ出しました。
昌平君が提案したのは、秦国に住む全ての人々の「戸籍作り」です。
現在、秦朝は正確な人口を把握しておらず、戸籍を作ることで徴兵が可能になると考えています。
昌文君はこの提案に懐疑的でしたが、政はこの方針を支持しました。
さらに、昌平君は「軍の編成改革」を提案しました。
失った将軍たちの地位を見直し、戦力を強化することが重要だと主張します。
信や蒙恬も関与し、来年に向けた戦略を練り、韓を討つための準備を進めることとなります。
漫画「キングダム」73巻感想
漫画「キングダム」73巻を読んで、さまざまな感情が胸に湧き上がりました。
この巻では、戦争の激しさや仲間の絆、そしてリーダーシップの重要さが描かれていて、本当に引き込まれました。
物語は、信と彼の仲間たちが新しい敵と戦う様子から始まります。
戦の緊張感が伝わってきて、ページをめくる手が止まりませんでした。
特に信の成長が印象的で、初めて戦場に立った頃とは違い、リーダーとしての自覚が見えてきました。
彼の勇気や決断力は、周りの仲間たちにも大きな影響を与えています。
信の姿を見ていると、自分も何かに挑戦したくなるような気持ちになります。
また、この巻では仲間との絆の大切さも強調されています。
仲間がいるからこそ、信は困難を乗り越えられるのだと感じました。
友情や信頼が戦場でどれほど重要か、改めて考えさせられました。
さらに、戦の戦術や策略も見どころの一つです。
敵との頭脳戦が展開され、どちらが勝つか予想がつかないところが緊張感を高めています。
特に、巧妙な罠や騙し合いが多く、ハラハラドキドキしました。
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