大人気漫画『キングダム』の主人公、信が率いる「飛信隊」。
戦場での活躍が光る重要な存在ですが、飛信隊は史実に基づいた部隊なのでしょうか?
飛信隊のモデルや信自身の歴史上の実在性について気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、飛信隊のモデルとなった史実の人物や部隊について詳しく解説し、なぜ信が物語の中心に選ばれたのかを考察していきます。
漫画をさらに深く楽しむために、ぜひ最後までご覧ください。
飛信隊(ひしんたい)とは?
飛信隊は、人気漫画『キングダム』の主人公「信」が率いる部隊で、信が大将軍を目指して歩む中で、信を支える重要な存在です。
信が百将に任命された際、かつての六大将軍・王騎(おうき)将軍から名付けられたのが「飛信隊」です。
飛信隊は、元々は百人規模の小さな部隊でしたが、次々と武功を挙げ、最終的には五千人隊にまで成長しました。
この飛信隊の姿は、漫画の中でも多くのファンに支持されています。
飛信隊は実在したのか?
結論として、「飛信隊」という名の部隊が史実に存在したという記録はありません。
しかし、『キングダム』の信には、歴史上の人物「李信(りしん)」がモデルとして存在しています。
この李信は実際に秦の将軍であり、率いていた部隊が飛信隊のモデルであると言われています。
そのため、飛信隊の活躍は完全な創作ではあるものの、歴史的な背景や事実に基づいて描かれているのです。
別働隊としての李信隊の活躍
李信は、秦の軍事作戦において別働隊として活躍しました。
特に紀元前226年には、数千の兵を率いて燕の軍を追撃し、燕王丹を捕虜にしたという戦績があります。
李信が指揮した別働隊は、独立した部隊としての役割を果たしながら、重要な戦果を挙げていました。
飛信隊も同様に、作中では別働隊として特別な役割を担い、敵の将を討ち取るシーンが多く描かれています。
この点からも、飛信隊が李信隊をモデルにしていることが伺えます。
中華統一への貢献
李信隊は、秦の中華統一においても重要な役割を果たしました。
紀元前222年には、王賁(おうほん)と共に燕の遼東を攻め、燕王を捕虜としました。
さらに、紀元前221年には、蒙恬(もうてん)や王賁と共に斉を攻め、秦はついに中華統一を果たします。
この歴史的な事実は、『キングダム』での飛信隊の活躍に通じる部分があり、今後の物語展開にも期待が高まります。
李信隊の史実と『キングダム』との違い
『キングダム』の物語は紀元前234年頃が舞台ですが、史実で李信が最も古く活躍した記録は、紀元前229年から228年の間です。
この期間に、李信は趙の太源や雲中に出征しています。
つまり、現在の『キングダム』のストーリーは、まだ李信が歴史的に登場する時代に追いついていないことがわかります。
漫画で描かれている飛信隊の活躍は、史実を元にした部分もありますが、実際にはオリジナルのストーリーが多く含まれています。
史実の李信と『キングダム』の信
李信は、紀元前3世紀に秦の将軍として活躍し、特に中華統一の過程で重要な役割を果たしました。
しかし、李信自身の軍事的なキャリアには大きな敗北もありました。
楚との戦いでは、大規模な軍を率いて挑んだものの、大敗を喫してしまいます。
この時の敗北により、一時的に軍の指揮権を失いますが、その後も秦の始皇帝である政(せい)の信頼を得て、軍事作戦に復帰しています。
史実では李信はこの後も軍人としての活動を続け、最終的には中華統一の一翼を担いました。
このように、李信は史実において、若くして勇壮であったとされています。
これは、『キングダム』の信のキャラクターとも一致します。
『キングダム』の信は、奴隷の身分から大将軍を目指す若者で、物語の中心人物です。
信の性格は非常に情熱的で、仲間を大切にし、自分の夢に向かってひたむきに努力する姿勢が魅力です。
何度も困難に直面しますが、決して諦めずに前に進んでいく強い意志を持っています。
また、李信が「ビッグマウス」であったという逸話もあり、例えば、楚との戦いで「20万の兵があれば勝てる」と豪語したというエピソードが残っています。
この発言に対し、王翦(おうせん)将軍は「60万が必要」と提言していましたが、李信はそれに反して少数の兵力で挑もうとしました。
この結果、李信は大敗し、後に王翦が指揮を引き継ぐことになります。
この「勢いで突き進む」性格は、まさに『キングダム』の信にも共通している特徴です。
信と秦王政(しんおうせい)の関係
李信と秦の始皇帝である秦王政との関係については、史実においても興味深い点があります。
楚の攻略に際し、李信は王翦と並んで秦王政に諮問されていました。
李信が軍事的な失敗をしても粛清されなかったことから、秦王政との間には深い信頼関係があったと考えられます。
これは『キングダム』でも、信と秦王政の強い絆として描かれています。
なぜ信が主人公なのか?
『キングダム』は、秦の中華統一を描く大河ドラマですが、なぜ信が主人公に選ばれたのでしょうか?
その理由は、信の成り上がりストーリーにあります。
信は奴隷出身という低い身分から、大将軍を目指して成長していく姿が描かれています。
このサクセスストーリーは、多くの読者に共感を呼びやすく、物語を盛り上げる要素の一つです。
王賁や蒙恬も同時代の優れた将軍ですが、二人とも名門の家柄であり、信のような「奴隷からの成功物語」を描くことは難しいため、信が最適な主人公になったと考えられます。
飛信隊がもたらす【キングダム】への影響
飛信隊の物語は、単なる戦闘の勝ち負けだけではなく、仲間との絆や信念、成長といったテーマが詰まっています。
信を中心にした飛信隊の物語は、戦場の激しさとともに、感動的なシーンが多く描かれており、読者の心に深く響くものがあります。
李信隊が史実において中華統一に貢献したように、『キングダム』の飛信隊も、これからの物語でさらに大きな役割を果たしていくことでしょう。
まとめ
飛信隊は、史実に基づいた要素を持ちながらも、物語の中で独自の成長を遂げている部隊です。
李信隊をモデルにして描かれている飛信隊は、これからも『キングダム』で活躍し、中華統一を目指して進んでいくでしょう。
信の成長とともに、飛信隊の仲間たちも次々と進化し、物語はさらに壮大な展開を迎えることでしょう。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました^^
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